【仏】ブルターニュとモンサンミシェル
ブルターニュとモンサンミシェル
パリとロアールで、すっかりフランスが気に入っちゃったわたし。行きたい行きたいと言い張って、あんまり気乗りしない夫をひきづり出し、ブルターニュ地方に3泊4日のドライブ旅行に出ることにしました。はじめに言っちゃえば、夫にも私にも思い出深いほんとうによい旅になりました。自然と歴史に恵まれ、料理もお菓子も地元に根ざしたおいしいものがたくさん。フランスは、小さい町がきれいで味がありますね。
それから、ブルターニュの人々はブレトン人といって、イギリスのウェールズあたりのケルト人と同じ民族。フランスなのに、ケルト語でも標識が出ているのが印象的でした。(2003年6月15~18日)
《旅程》
6月15日
サウサンプトン=バス⇒ロンドン・スタンステッド空港=ライアンエアー⇒
ディナール=レンタカー⇒
サンマロ(夜のモンサンミシェルドライブ)(泊)
6月16日
サンマロ=海岸線のドライブ⇒
モンサンミシェル⇒
レンヌ(泊)
6月17日
レンヌ⇒
コンカルノー⇒
カンペール(夜の岬めぐりドライブ)(泊)
6月18日
カンペール⇒
ブレスト=ライアンエアー⇒ロンドン・スタンステッド空港⇒
サウサンプトン
《ホテル》
3泊とも、ACCOR hotelsグループの、Formule1フォーミュラワンというモーテル利用。くわしくは「旅行アルバムとTIPS チェーンホテルにお世話になる」のページで。
ディナールDinardで撮った写真3枚。
ディナールは、モンサンミシェルの西40キロ辺りにあるリゾートの街。すごく暑い日だったので、観光客はみんな砂浜に出て、泳いだり焼いたり飲んだり、思い思いに楽しんでいます。イギリス人とフランス人が多そう。黄色い肌に細い目の人なんてひとりもいなくて、際立って浮いているわたしたち。服装が暑苦しいのが全然いけてません。
海岸でバゲットのジャンボンサンドを買い食いしたので、夕飯は、クレープ屋さんで軽く済ませることに。そば粉のクレープに卵をのせたもの(Galette Oeuf)2ユーロ、ムール貝の白ワイン蒸し(Moule Marinese)山盛り、どっさりフライドポテト付き、6ユーロ。安い。ムール貝はこのあたりの名物で、至るところで食べられます。ほかに生クリームで味付けしたもの、ワインの代わりにシードルやカルバドスで味付けしたものがありますが、わたしは白ワインのシンプルなのがいちばんじゃないかと思いました。この店は特においしかった。
お店の名前は、Creperie du Phare(住所2T R.Marechal Leclerc 35800 Dinard、電話02 99 46 43 53)。Phareというのは灯台ですね。赤い灯台の看板が目印の15席程度の小さなお店でした。サービスしてくれるお姉さんが可愛くて、彼女に「ぼなぺてぃっ」とささやかれた夫は、完全ノックアウト。
高台に散歩に出て、入り江の対岸、サンマロを眺める夫。はは、かっこよすぎ。ディナールは上品で、のんびりして、明るくて、とてもいい町。素敵な旅のスタートです。
「モンサンミシェルは夜がいいよ」と知人から聞いていたので、内部見学は翌日にまわすものの、とりあえず高速を飛ばしてライトアップされた夜景を見に行きました。幻想的な景色。人もまばらで静か。
2日目、朝からサンマロSt-Maloの町へ。美しい港と、城壁の町です。城壁に囲まれた町には、小さいおしゃれなお店がたくさんありました。入り口近くのパン屋さんで、クロワッサンやバゲットを買い、城壁に登り、景色を見ながら朝ごはん。このパン、劇的においしかった・・・。あと、サンマロの教会は、素朴でいい雰囲気でした。新しい作家のものだと思うけれど、祭壇のデザインがおしゃれでした。
サンマロからモンサンミシェルには、美しい海岸線をドライブしながら行くことに。途中Pointe du Grouinという岬で、車を止めてお散歩。ブルターニュは、こういう海の景色が素晴らしかった。気持ちが伸びやかになります。
そして再び真昼の暑いモンサンミシェルle Mont-St-Michelに。昨夜は水に浸かっていたところが干上がって、駐車場になっています。羊がたくさん放されていて、羊がモンサンミシェルの右から左へ道路の横断を始めると、観光の車がみな立ち往生していました。
内部見学に続く参道は、日本の有名なお寺の門前とそっくり。細い路地の左右にお土産屋さんがぎっしり並びます。入り口近くに、有名なふわふわオムレツの店があり、職人さんたちが必死で卵を泡立てていますが、これは「フランスにあるまじきまずさ」と評判なので、見るだけ見るだけ。
ゆっくり内部見学をした後は、島の裏手に回ってみました。隣りの小島から、干上がった砂の上を裸足で歩いて帰ってくる人がたくさん。ちょっとうらやましかった・・・。
その後は、途中、日本でもボーダー柄のカットソーで有名なセントジェームスでちょこっと買い物をし(モンサンミシェルの羊からとったウールでニットを作ったのが、このブランドの始まりだそう)、さらにスーパーのChampionで夕食用のパンやお惣菜を買って、レンヌRennesのモーテルに向かいました。この日は、モーテルの入り口のガーデンテーブルで食事して早めに就寝。
3日目、レンヌから高速でコンカルノーConcarneauへ。これも小さいながら城壁の町。のんびりした漁師の町。
城壁内は、お土産やさんがほとんどで、地元のお菓子を売る店が4軒くらいありました。そのうちの1軒で、ナッツ類がたくさん入った直径20cmのクッキーを買い、さっそく食べるの図。ほかの1軒では、店先にクイニー・アマンとか、ファー・ブルトン(ずっしりもちっとした焼き菓子)とか、試食用のお菓子が山盛り。このクイニー・アマンはかなりおいしかったのだけれど、これまた直径25cmくらいもあり、買っても2人で食べきれないので、試食用をその場で繰り返しいただいちゃいました。おいしいクイニー・アマンを作ってくれたのは、このお兄さん。
3日目の午後は、カンペールQuimperへ。川が流れるけっこう大きな町。教会を見学している人もたくさんいました。
車を有料駐車場に入れたものの、事前に予定の時間の分だけ買わなければいけない駐車券をけちったため、さんざん町をうろついて帰ってきたときには、ワイパーに駐車違反の切符がはさまっていました。フランス語が読めないので、翌日町のインフォメーションセンターに行って聞くと、即刻11ユーロ払えば免罪とのこと。タバッキに行って、「印紙」を買い、違反切符とともに警察にお世話になりに行きました。よい思い出。
実は、カンペールの町はモンサンミシェルと並ぶ、当初の旅の目的地のひとつで、ここには素朴な手描きの柄が愛らしいカンペール焼という陶器があるのでした。HB Henriotというのが由緒正しい工房。花や鳥、ブルターニュの民俗衣装をつけた男女の柄が有名。工房見学の後、ブティックで買い物。ブルターニュ地方の各都市では、今年、画家のゴーギャンを特集するプロジェクトをやっていて、この工房も参加しており、ゴーギャンの絵をモチーフにした皿を買いました。ちらっと焼きムラがあるからこれは15%引き(ああ、二級品夫婦)。ゴーギャンは、南の島にばっかりいたのかと思ったら、こんなところも旅していたのねー。
3日目の夜は、大西洋に突き出た突端、Pointe du Van、Pointe du Razの岬までドライブ。1年で一番日が長いころなので、日没は夜10時半くらい。8時にカンペールを出発しても、岬の岩の上から、灯台の向こうの西の海に日が沈んでいくのを見ることができます。途中通ったLocronan、Douarneneなどの町も絵のような美しさ。実はこのドライブ、カメラを忘れたと思い違いをしたため(実は持っていたんだけど)、写真が1枚もありません。でも、4日の旅行の中で、この時間が一番ロマンチックでした。VanとRazの谷間にある1軒屋のホテルにはいつか泊まりたいと、写真の代わりに浜の石ころを2つ持ち帰りました。
最終日、カンペールを後にし、Menez-Homの見晴らし台を通って、ブレストBrestへ。ブレストも古い城壁が残る港湾都市ですが、あまりガラがよくありませんでした。いまどきどの都市にもあるようなお店は多くあるものの、地元のケーキ屋さんが見つからず一苦労。疲れて頭痛もひどかったので、早めに空港へ行き、楽しい旅もおしまいです。
おみやげ。
左が、シードルと、パタート・ド・サンマロ(サンマロのじゃがいもをかたどった練り菓子)、とカンペール焼きの
シードルカップ(入っているのは、サウサンプトンのアパートの庭になったサクランボ)。
右が、コンカルノーで買った塩バタークッキーPaletsと、カンペールで買った薄焼きクレープを乾燥したものCrepes Dentelles。
パタート・ド・サンマロ以外はどれもとてもおいしいのでおすすめです。
大急ぎの詰め込み旅行で、
のんびりタラソテラピーが受けられなかったのだけちょっぴり心残り。
おわり